独立してまもなくの頃、知り合いの大工見習の子から連絡があり「一身上の都合により会社を辞めてしまったので、行く当てが見つかるまで雇って下さい。」と突然言われました。
※その子が会社を辞めた理由と、その後一悶着あったことはブラックすぎて割愛させて頂きます。(笑)
突然の事でしたが、独立したての自分に人なんて面倒見ることができるだろうかという不安と、人を育てる勉強が出来る、さらにスキルアップできるというワクワクで、既に自分が板挟みになっていました。
今までも仕事が切れたこと無いから、これからも切れることはないだろう!と自分に言い聞かせ、恐る恐るではありましたが、自分は自分を追い込む環境を作る選択をしました。
決意をしてからは、一抹の不安を抱えつつも、一生懸命仕事に励みました。現場作業、二人分の段取りと。
彼がとても優秀だった事もあり、あらよあらよと成長していきました。
そしていよいよ彼がほぼ一人前になり、これから少しは楽できるかな、なんて考えていた矢先!!
「大変お世話になりました!!」
はっ!!…ガーーーン!!
そうです、彼は華麗独立していきました…彼だけに(涙)
正直、これから!と言う楽しみを失った喪失感に心折れそうになりましたが、一人の大工を一応育て上げたという達成感が心のすみーーーっこの方にいたので、それを心の支えに彼の独立を承諾し、改めて前に進む事にしました。
とは言え、いつも一緒に働いていた仲間を失ったのは、寂しかったし、ショックでした。
だから次は、人がずっと働いてくれる事を考えた結果、会社を作ることにしました。当時、既に家族を失っていた僕は、自分一人を食べさせる事に、対してお金もかからなかったので、割とスムーズに会社を作り、人も3人雇うことができました。
ほぼほぼ同時に3人雇ったので僕の給料は激減しましたが、既に一人育てた自身もあり、一時の辛抱、先行投資だと思い、「みんなで頑張ってお金稼いで、みんなと給料山分けするぞー!!」と自分に言い聞かせ、心機一転頑張ることにしました。
一人はほぼ高卒の子、二人は中途採用のメンズでした。なので給料は高卒の子以外、社長も含めほぼ横ばい、むしろ中途社員の子は家庭があったので、社長より給料が高いという異例な現象になってました(笑)
会社を立ち上げ、3人を雇用し、より一層自分を追い込んだ僕は、より一層頑張りました!なるべくみんなには負担をかけまいと思い、みんなを定時で返して自分は残業をするというようなワークスタイルをしばしば送っていました。
しかし、それが一年くらい続いてくると、彼らにとって、その状況が当たり前になってしまったのか、仕事をだらけるようになってきたのです。
伸び伸びやって欲しかったし、一人目の弟子の子の時は、自ら率先してし仕事を覚えようとしてくれたので、口うるさく言わず、なるべく我慢する方針でしたが、それでみんながだらけるようだったら自分の為にも、彼らの為にも良くないと思い、思い切って注意するようにしました。
始めは優しく言ってましたが、全然聞く耳を持たないので、プレッシャーを強めていきました。するとちょっとずつ現場に緊張感が生まれ、まじめに取り組むようになってくれました。ただ、そのプレッシャーの調整は非常に難しく、弱すぎると緩み、強すぎると萎縮させてしまい、現場の空気を悪くするのです。
みんなも徐々に成長はしていたものの、過度な仕事量をこなす疲労と、4組分の生活を支えるプレッシャーのストレスからか、現場でみんなのミスや欠点ばかりが気になるようになって、イライラして怒ることが多くなっていました。それでもなんとか頑張ってみんなを、自分を励まし、鼓舞して。なんて苦しい日々を過ごしていました。
すると一人、また一人、最後の一人までも辞めると言い出してしまいました…
考え直すように止めてみても、すでに彼らの心はそこにあらずでした。今回は完全に失敗した…心からそう思いました。まるで僕の心の糸が、プツっと切れる音が聞こえてきました。
確かに至らない点はあったものの精一杯頑張りました。成功ではないが頑張りぬいたこのシチュエーションで、的確な感覚ではないとは思いますが、開放感すら感じました。ある意味限界を感じれたんじゃないかと思っております。
なにが間違っていたかは、考えればたくさん要因がありますが、人を雇う難しさを本当に痛感しました。
これから一人になって自己投資のために時間を使えるようになった今、このテーマをゆっくり考えて改めて将来の自分の糧になるように必ず自分なりの答えを出したいと思います。そしたらまた、その考えをブログにアップさせて頂きますので、よろしかったら皆さんのご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いします。
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