本厄の恐ろしさを実感 後編 パート2

コラム

コロナの自宅待機期間を終えて、現場に復帰すると、10日間も休んだ為、いつもより元気になって、逆に仕事もはかどりました。やはり仕事は長く働けば良いわけではなく、しっかりと休んで体調を整えて働くことで効率が良くなることを改めて実感しました。

社員の二人も10日間休んでいたので、もうすっかり体調は良さそうでした。

しかし、二人ともどこか様子がおかしい…

時系列から行くと僕が二人に移したと思うので、負い目を感じていたせいかと思いましたが、何か妙でした。

すると一人の社員の子が、「自分辞めます。」と言い出しました。

へ!?ってなったんですが、その子は前からメンタルをやられたり、腰のヘルニアでやられたりと、辞めそうになっては踏みとどまってをちょくちょく繰り返していました。

僕も、その都度引き止めていましたが、今回は10日間の休みでしっかり考えて答えを出したものだと思い、もう引き止める事をあきらめました。

本当は内心、せっかくいい線まで来てるのだから最後まで頑張れと言いたかったです。しかし、彼は腰がヘルニアになっていた為、奥さんも大工を続ける事は耐え難かったみたいです。そうなると、なおさら止めるわけにはいかなく。喉まで出かけた言葉をグッと飲み込みました。

「仕方ない、これからは2人で頑張っていこうね!」ってもう一人の子に声をかけると、その子もどこかさえない返事…この子はヘルニアの子の紹介で入社してきたので、やはり寂しいんだろうなと思ってました。次の日になるまでは…

そして次の日、現場で二人で何の気なしに話していると、最後に残った子から突然、

「僕も辞めます。」

とまたまた衝撃の発表

「えっ!?」「なんで??」突然の告白に頭がついていけませんでしたが、ようやく状況が把握できたので、落ち着いて聞いてみると、「自分は、大工の様に作業工程の多い、頭の使う作業には向いてないから。」との理由でした。しかし、それは修行中であれば、誰でもが同じであり、彼は順調に成長していました。彼は体も動くので、本当に後2,3年もすればだいぶいい線行ったんじゃないかと思います。ここまで一生懸命積み上げたものを、いとも簡単に棒に振れる感覚は理解できません。もう少しの辛抱で一生食っていける技術を手にいれられたと思うと、本当に悔しいです。最後まで教えてあげきれなくて、本当に悔しいです。

二人をいっぱしにしてあげられなかった事、一生悔やむと思います。

せめて二人、初めに辞めた子も含めると三人には、いい仕事に巡り合って、幸せな人生を送ってもらいたいです。それが元親方のせめてもの願いです。罪滅ぼしなのかもしれませんが、そう思います。

こうして僕はこの本厄で最後には社員まで失いました。

コロナ、怖いなんてもんじゃありません。

僕から仕事のあらゆるものを奪っていき、今まで頑張って来た仕事、会社というものが、ほとんどなくなってしましました。

でも、なぜかある、やり切った感、結果は散々で、何も達成したわけではないのですが、妙にあるやり切った感…変な感覚です。僕も、社員の子たちも一生懸命頑張りました。それは間違いない!でも結果は失敗に終わりました。これだけ頑張ってのダメだったのはもちろん、僕が至らなかったんですが、システムにも問題があったのだと思います。その理由は今もずっと答えを探して勉強してます!奇跡のメディアYouTubeで!(笑)

辛いからと言って立ち止まれません!苦しくても顔を上げて前に進むしかありません。

一人になったからこそ、全て失ったからこそ、出来る事を探そう!

そう思い、残り2カ月の本厄生活とも戦いながら、アナログ大工、デジタルに挑戦を決意したのです。

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